【司法書士試験突破法】現役司法書士が筆記試験の勉強時間・勉強法を解説
今回は司法書士試験の短答・筆記試験における勉強方法や勉強に割く時間などを解説します。
- 現役司法書士
- 司法書士試験を大学卒業年に合格
- 即独系司法書士
- 現在予備試験の勉強中
司法書士試験合格までの勉強時間
司法書士試験の勉強時間は約3000時間と言われます。
ですが、それはウソだと思ってください。
なぜなら、勉強時間は忘却線との関係で大きくかわるからです。
エビングハウス忘却曲線をご存知だろうか
人間の記憶は、時間とともに失われるのが、一定期間ごと復習をすることで、忘れにくくなるというメカニズムをもっています。
学生のように時間があり、勉強の進行具合を管理しやすい方の場合、新しい科目を勉強しつつ、復習の時間もとることができるので、比較的短期間で合格できる。
私は合格当時は学生タイプでした
社会人の場合、仕事・家庭を両立しながらなのでなかなか勉強時間が取りにくく、復習にあてる時間が少ないため、記憶を保持できずに合格までの時間がかかる
3000時間という勉強時間は、忘却線との関係で、効率よく勉強できた場合に達成できる時間と考えた方がいい。
合格までにかかった時間は結果論であって、人によって全く費やす時間は違うので、あまり気にしないほうがいいのではないかと思ってます。
要はあてにならない勉強時間に右往左往するより、この資格をとりたいという決意があるかどうかの方が重要だと思います。
私は当時、合格するまで受け続けるという決意でした。そのため、合格率や勉強時間の多さなど全く気にしてませんでした。
短答試験と筆記試験の勉強時間の割合
勉強時間は気にするなといいましたが、司法書士試験には、「短答試験」と「筆記試験」があり、全く性質が異なるため、どのくらいの力の入れ具合で勉強すればいいか、気になるとこだと思います。
私の個人的な意見は
短答試験8割:筆記試験2割
短答試験を突破できないと筆記試験は採点されません。
そのため、短答試験をするレベルの知識は必須となります。
さらに、短答問題で重要問題を落とすようでは、筆記試験の問題検討の段階で必ずミスをします。
短答問題を基準点超えできるレベルになってようやく、筆記試験の問題検討ミスが少なくなります。
筆記試験で問題検討でケアレスミスをたくさんしてしまします。どう対策したらいいですかと質問する方がいますが、そのような方はそもそも短答問題でミスをします。
問題文を見た瞬間に正解が理由付きで言えるレベルにまで、精度を高めれば自ずと筆記試験でのミスは減ります。
短答過去問の解き方を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
筆記試験特有の勉強方法
問題検討については、短答問題の解答の正答率を高めることでおおまか対処は可能ですが、それだけでは司法書士試験には合格しません。
筆記試験特有の勉強方法をお伝えます。
よく受験生の方で勘違いされているのは、雛形を覚えようとする人がいますが、絶対にやめてください。
雛形を覚えても様々な問題に対応することはできません。
雛形を覚えるのはダメ
不動産登記法
不動産登記法は、申請順位と申請書の内容・添付書面の意味を理解することで対応可能です。
申請順位は、問題文に書かれている実態を検討した上で、その流れを登記上に反映させるだけです。問題検討さえしっかりできていれば、間違えるものではありません。
申請書の内容については、登記の目的や原因・添付書面の意味を理解することで、様々な問題に対処できます。
この「登記をすることによって」が重要です。ここを勘違いして権利者・義務者を間違える人が多いです。
添付書面については、必要・不要の理由から覚えたほうがいいです。
簡単に説明するとこんな感じです。
- 登記原因証明情報
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原則必要→登記の原因がわからないと登記できない。 保存のときは不要→登記原因がないから
- 登記識別情報
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原則必要→義務者の意思確認の担保的なイメージ
- 印鑑証明書
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所有権登記名義人が義務者となるとき必要→所有権が移転若しくは抹消されるのは一番重大!
- 住民票
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所有権移転・保存で必要→所有権者の情報は重要だから住民票まで提出させて、住所氏名の確認
- 会社法人等番号
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法人の場合、代表権の確認などに必要
- 代理権限証明情報
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司法書士が代理人として、登記申請するときは代理権の証明が必要
私はこれを語呂合わせで覚えていました。
「原」「登」「印」「住」「法」「代」=げんとういんじゅうほうだい
今も登記申請をする際に、添付書類の確認をするときはこの語呂合わせを使って確認してます。
商業登記法
商業登記法はパズルのイメージです。
商業登記を突破するには、役員変更時期の検討と添付書類を間違えないことが重要です。
個人的には商業登記の方が難易度は高めかなと思ってます。
役員変更のタイミングは表にして検討してください。
この場合に、死亡による退任や権利義務取締役での退任時期を間違えないよう自分なりの表で時間軸を把握します。
添付書類については、なんのために必要なのかの理由を覚えてください。
商業登記については、変更事項が生じた場合に、株主総会での決議事項か取締役会での決議事項かどうかなど、短答問題の知識で、添付書面が判断できるケースが多いです。
会社法と商業登記法はほぼ一体です
商業登記は、総じて短答知識があれば、申請漏れなどのミスはほぼないと思います。
筆記試験特有のテクニック(問題文を見ながら整理する能力)が必要な部分もありますが、それはあくまで短答問題の知識がある程度のレベルになってからの話です。
筆記試験で問題検討がうまくできない。申請漏れをしてしまう。という方は、まず問題検討の時点で短答問題の知識がある程度蓄積されているか確認してみてください。
短答問題の知識が重要
おすすめ過去問
筆記を突破するうえで、短答過去問の知識が重要です。
私自身が実際に使っていたのは、「伊藤塾の過去問」でした。
しかし、受験生活の中で伊藤塾の問題のみを使用していたわけではありません。LECから発売されている「合格ゾーン」も使用していた時期はありました。
相当数の年度の過去問が、体型別に掲載されており、テキストの進行具合に合わせて過去問でアウトプットをするには、最適です。
様々な年度の問題が掲載されているため、違った角度から同じ内容を問われている問題に対応できるので、試験の耐性は強くなるかなと思います。
時間がある方は、「合格ゾーン」もおすすめします。
大学時代は部活と両立だったため、時間がなかなか取れず伊藤塾の過去問に切り替えましたが、時間がある方は合格ゾーンを使ったほうがいいかも
LECは、司法書士試験対策講座や司法書士の過去問題集では大手と言っていいでしょう。合格者の中でもLEC受講者の割合は相当なものでした。早期合格を目指したい人は、一度検討してもいいと思います。